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 井上貞蔵の「馬島・武内」宛書簡
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  「Think Kagawa!」
  「賀川豊彦って誰?」
  「賀川資料館の雑芸員日誌」

 (付録「水平社創立」直前の朝日新聞記事)
  「玉手箱」の中に、井上貞蔵氏(神奈川県都筑郡長津田)から、大正9年1月1日の消印と読み取れる一枚の絵葉書が残されている。あて先は「神戸市吾妻通五丁目 イエス団 馬島・武内様」と両人宛である。文字が薄くて判読は容易でないが、本文には、次のように記されている。
相変わらず貧民教化の事業にお尽くしのことと敬意を表します。
どうぞ皆さんにも宜しくお伝え下さい。目下「六大都市の貧民窟」を学校の雑誌の為に書いております。
最近何かの雑誌に出る「特殊部落民の解放」では、馬島さんのお話を大分お借りしましたが悪しからず。堺利彦氏に言わせると、大正8年の半年は福田時代で、後半は河上時代だと言うが、大正9年は恐らく「賀川時代」であると、私は思います。
御両君の健闘とイエス団の発展とを心から祈ります。
 絵葉書の絵は、クリスマスと新年を祝うもので、「1月1日」の消印の年賀状でもある。

 井上貞蔵(1893年生れ)は「貧民窟と少数同胞」(東京・巌松堂書店、1923年)などで知られる人であるが、この文面からみて、賀川豊彦との交流だけでなく、イエス団の馬島医師と武内勝両氏との浅からぬ関係があったことを伺わせる。
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 ところで、井上貞蔵氏とは直接関係するものではないが、ここに付録として、大正11年1月13日付けの「大阪朝日新聞京都付録」を紹介する。
この記事は最初、拙著「賀川豊彦と現代」(1988年)で一部紹介し、その後「賀川豊彦再発見」(2002年)、「賀川豊彦の贈りもの」(2007年)でも取り上げているが、先年上山勝氏より当該新聞のコピーを頂いたので、それもご覧頂く。
 なお、杉山元治郎氏によって、次のような証言が残されていることは、広く知られていることである。
「日本農民組合創立の打合せを神戸新川の賀川宅でしていたころ、全国水平社創立の相談を同じく賀川宅でしていた。その人々は奈良県からきた西光万吉、阪本清一郎、米田富の諸氏であった。このようなわけで二つの準備会のものが一、二回賀川氏宅で顔をあわせたことがある」(「土地と自由のために−杉山元治郎伝」)
「全国水平社」が京都の岡崎公会堂で開催されたのは、大正11年3月3日のことであるが、賀川はこの創立大会の頃は、同年2月8日より一ヶ月余りの予定で、ハルと共に「台湾伝道」に出掛けており、日本にはまだ帰国していなかったので、当然この大会には参加はしていない。
またこの組織には「総裁」というポストは存在せず、朝日新聞の下記の予想記事、「総裁は賀川豊彦氏の呼声が高い」とするものは間違いであった。(2009年6月9日記す。鳥飼慶陽)

 一萬の受難者が集って
   京都で「水平社」を組織
   総裁は賀川豊彦氏の呼声が高い
   先づ社会に向って差別撤廃の宣戦を布告する
(大正11年1月13日付け朝日新聞京都付録)
 今春二月中旬、京都市で開催される全国部落民大会は、夕刊記載の通りであるが、楽只青年団を始め、田中、崇仁、其の他京都府下各団体を始め和歌山、滋賀、奈良県下から約一万人の少壮者が会合する筈で、当日結党される「水平社」の総裁には、賀川豊彦氏推薦説が最も優勢である。

そして社会に向かって差別撤廃の宣戦布告をすると言えば不穏なようだが、内容は頗る穏健なもので、正義人道に訴えて舌戦を闘わすと言うのであるが、是等の目覚めた人達が来るだけ、腹の底からの叫びが出て熱が高く、既に奈良、和歌山方面から六百、滋賀県から一千名は確実に出席の報告が達した。京都府下からは全部参会する意気込みで、奈良から河内方面へは目下自動車で宣伝されている由、京都の宣伝文、大会趣意書は一旦印刷されたが当局の注意があったのでやり直した。

之に関する官憲側の意見は、法制上よりは全然差別がない。差別されていると考えさせる社会にも責任があるけれど、殊更差別されていると思う彼の人達自身の主観的な考えも亦反省の必要があろう。教育を第一に尊重する気風を養い、風紀、衛生上の弊風を矯正して、社会的に活動する実力をつけたら、自然に偏見が消滅しよう。然し先進者の吾々は、彼の人達の目覚めた人と共に一致協力「人類の幸福」を目標に進みたい。要するに「愛」の問題である云々




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